■曠日弥久雑記 名作の予感……!(笑)

名作の予感……!(笑)

  • 2008/03/02(日) 09:00:57

古びたアパートの窓から入る陽光。
その暖かな日差しを背に、Tシャツにジーンズ姿の青年が畳に横臥している。
青年のTシャツには「シッダールタ」の文字が縦書きされている。
そこまで見ると、ちょっと変わったTシャツ趣味のごく普通の青年がのどかに休日を過ごしている風だが、彼が普通の青年と大きく違う点は頭髪にある。
ら ほ つ なのだ。

やがて、青年の周囲には鳥や猫が多数集まってきて彼をじっと覗き込む。
しばらくはじっとしていた青年だが、やおら起き上がって動物たちを振り払う。
「ち、違う違う 大丈夫! 今日はコレ 涅槃とかじゃないから!
ほっとけ!」

そこにただいまと声がし、ドアが開いた。
入ってきたのはレジ袋を下げた細身の青年。無造作に伸びた黒髪、鼻の下とあごに少々の髭を生やしている。Tシャツにジーンズ姿。彼のTシャツには「アーメン」と横書きされている。
やはり変わったTシャツ趣味の外国人青年がコンビニから帰ってきた雰囲気だが、彼の頭にもちょっと常人とは違った特徴がある。
茨 の 冠 を付けているのだ。

黒髪の青年は、らほつの青年の「ほっとけ!」の声に「……仏なだけに?」と小さく噴き出す。
「……別に今のかけてないよ!?」
「いいじゃんギャグでも…… 今日はせっかくの下界なんだから」


とまあ、こんな愉快な始まり方をするのがこちら。
聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)
(2008/01/23)
中村 光

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この漫画家さんを知ったのは、書店で平積みになってた『荒川アンダーザブリッジ』。
荒川アンダーザブリッジ 1 (1) (ヤングガンガンコミックス)荒川アンダーザブリッジ 1 (1) (ヤングガンガンコミックス)
(2005/07/25)
中村 光

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アオリに一目惚れして大人買い。
『荒川…』については後日ご紹介いたしましょう。
その後『中村工房』を入手し、偶然発見した本作『聖☆おにいさん』に至るわけです。
中村工房 2 (2) (ガンガンWINGコミックス)中村工房 2 (2) (ガンガンWINGコミックス)
(2003/06)
中村 光

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何かもう、一言で言うと

名作の予感……!(抱腹絶倒)
といった感じですね☆


帯のアオリは

ブッダとイエスのぬくぬくコメディ
”笑い”でも世界を救う!
聖人in立川
こんなマンガ見たことない


……いやホントに見たことないですこんなマンガ。
世紀末を無事に乗り越えた目覚めた人・ブッダと神の子・イエスが、なぜか立川の古びたアパートをシェアしながらゆるーい休暇を過ごす……という設定。
まずキャラがおもしろい。几帳面で家事が得意、締まり屋さんのブッダと楽天的で衝動買い好きなブロガー、イエス(ジョニー・デップ似)。
ポイントシールを集めるぐらい人間世界に馴染んでいるようだけど、何かどこか少しずれてる!
世界四大宗教のうちの始祖2人がこんなことになるなんて。

各話の初めにひっそり書かれているブッダとイエスのマメ情報とか、ブッダの手によるTシャツの文字(シルクスクリーン)とか、もーなんか至れり尽くせりのバカワイラシサです。
ブッダもイエスも超カワエエです。

普通なら、こういう方々を扱う話ってすごい重厚だったりするじゃないですか。でも、本作に限ってはそういうところはないです。
手塚治虫先生の『ブッダ』をマンガ喫茶で読んで深く感動し、その後全巻衝動買いしたブッダ(そして衝動買いを後悔する)とか、カナヅチすぎて顔を水につけられなくてあろうことかプールの水をモーゼの十戒さながら割ってしまうイエスとか。人間くさいというか小市民というか、そういうのを平気で描いてしまう中村光さんのセンスに脱帽です。
ブッダ全12巻漫画文庫ブッダ全12巻漫画文庫
(2002/11)
手塚 治虫

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もうゆるいっつうかぬるいっつうかぬくいっつうか。
大好きですこういうの。
ていうか中村光さんが大好きだ……!(大告白)

頭が煮詰まってるとき、どうしようもなく視野が狭まってるときに読むと、ふっと力が抜けるような作品です。
ホントおすすめします。でも公共交通機関とかで読むときは、ゆめ油断なされませんよう。気を抜くと来ますから。

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